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「名ばかり個人事業主」に仕立てる本社研修 #2

最後の本社研修では、全部で9つの講義とテストで構成されています。そのうち「システム構成他」「ライセンス」「開業セミナー」「アテンダント育成」の4つについて、特に紹介したいと思います。これまでは「業務習得」でしたが、「業務のノルマ」の課していることを説明する講義でした。

「サンプル契約書G」本社研修時間割【氏家・渡邉ペア】

「サンプル契約書G」本社研修時間割【氏家・渡邉ペア】

システム構成他

9月11日9時からは、スーパーホテルIT戦略室長の日吉取締役などが講師でした。社員のように無制限に従って働くよう指示されます。

我々の労働力を最大限に引き出す

システムの最高責任者の日吉取締役が自ら説明しました。それは、「安く構築するために我々に働いてもらう」ように設計しているとのことでした。これまで紹介して来たように「ホテルシステム」は、手入力作業がたくさんあります。また、操作習得に時間がかかりました。そのために「研修センター」での長い実務研修があったのです。

「システム機器構成図」、本社研修「システム構成他」配布資料より

「システム機器構成図」、本社研修「システム構成他」配布資料より

特にスーパーホテルの「求人詐欺」の募集サイトやふたりごとブログの「フェイクニュース発信」などの運営を行う中心組織でした。下の写真の「守備範囲」に明確に書かれています。

「IT戦略室の紹介」、本社研修「システム構成他」配布資料より

たとえば、妊娠解約の女性の人権侵害やアルバイト補助金支給の「嘘」、コロコロと変わる委託報酬などのフェイクニュースを流す「募集サイト」のページ削除や入れ替えを行っています。

Internet Archive Wayback Machineで調べれば、大半の嘘がばれてしまうのに削除や入れ替えを現在も続けています。

公式ホームページ経由の予約率を上げろ

「会社」とは、スーパーホテルのホームページ経由で宿泊予約された割合で「自社IT予約率」のことを指しています。それに対して、「他社」は国内・海外の宿泊予約サイト(楽天・じゃらん・海外のもの等)を意味しており、これらのサイト経由で宿泊予約された割合のことで、「他社予約率」と呼んでいます。なお、他社サイトは「集客料金」が発生するそうでした。

講師たちが言っていた「自社IT予約率を上げろ」とは、他社サイトに手数料を払わないようにすることでした。

顧客に横領を売れ

自社IT予約率を向上させる方法として、「とくとくキャッシュバック」を利用させるよう指示されました。水増しされた領収書をもらえるサービスです。現在も、スーパーホテルの主力サービスでした。紙のカードから電子データ化されていますが、横領のしくみは変わりません。

スーパーホテルを利用する「ヘビーユーザ」は、ほとんどがこのサービスを利用しています。会社員の出張だと、宿泊費を会社が旅費精算という形で支払います。「とくとく2倍・3倍・5倍」というプランで宿泊すると、最大3000円が返金されました。

このような現金の返金額が加算された領収書が発行されるサービスです。

たとえば、とくとく5倍プランで1泊1名が8,000円で宿泊します。チェックインの際、3,000円の現金と次回の宿泊で交換できる「とくとくスタンプカード」がもらえます。宿泊者は、8,000円の領収書と3,000円に現金交換できるカードを手にできます。所属会社で8,000円の領収書を経費精算すれば、次回の宿泊時、3,000円が現金として返金され、所属会社の経費を「横領」できました。

このサービスをさらに促進しろと、我々に向かって直接、日吉取締役から指示されました。「社長レクチャー」においても、山村社長が言っていたことです。下の写真のような資料を配布して、「横領や脱税」が含まれるキャッシュバック「年間の還元金5億7700万円」と宿泊予約サイトの「ポイント還元」を比較して、優位性を解説しています。

そして、「他社サイトで販売しても利益はでません。」と、スーパーホテルの都合を説明していますが、これに従う者はスーパーホテルの正社員しかいないと思います。

このサービスを利用するには、「とくとくスタンプカード」に受領の署名と日付の自筆が必要です。日本中の公務員、国会議員、都道府県議員、市町村議員の利用者を発見できるでしょう。この受領証のスタンプカードは、スーパーホテル本社に「保存期間7年間」の規則で保管されています。

「摘発すべき立場」の政府与党議員は、横領ほう助するサービスを見逃して、宿泊して来ました。このような実態が最大の問題だと思います。

ライセンス

スーパーホテルコンサルタント本部西日本エリアの辻課長代理が講師でした。

辻課長代理は、「支配人ライセンス評価表(以下、評価表と略します)」を我々に配りました。「突然はじまった読み合わせ」では、この評価表は見せられておらず、内容もわかりませんでした。

「評価表」を見てびっくりします。

我々は、マニュアル通りの「業務方法」で働くだけでなく、指定された業務方法での「成果ノルマ」が課されていたのです。しかもノルマを「理念の共有」と「8項目のプロセス(黒字)+成果(赤字)」に分類していました。その各項目には、6段階にノルマ難易度で分割されています。

もう少し詳しく見ると、「評価表」のオレンジ色が「理念の共有」に関するノルマです。それ以外は、8項目の「黒字(プロセス)と赤字(成果)」が上下1つの枠となって構成されています。

さらに6分割された難易度は、「評価表」の最下部が「基本的状態」と呼ばれ、この「基本的状態」の業務をこなさないと、それ以外のノルマを完了したと見なさないひどいものでした。それを前提として、「GRADE5」から「GRADE1」へと難易度が上がります。

「支配人ライセンス評価表」、9月12日本社研修「ライセンス」配布資料より

「支配人ライセンス評価表」、9月12日本社研修「ライセンス」配布資料より

「評価表」から加点方式でノルマ達成状況を判断します。「ライセンス成果(報酬)」には、8項目の各1枠が1点とされ、「売上の枠のみ3点」となっています。「POINT換算表」には、各GRADEの必要点数が記載されていました。

そのうち、スーパーホテル業務要項の「2.業務基準」には、GRADE4を維持するよう努めろと努力義務と見せかけた記載があります。ただし、「基本的状態」を完遂しないと「GRADE5」以上の評価が行われません。

「ライセンス成果(報酬)」、9月12日本社研修「ライセンス」配布資料より

「ライセンス成果(報酬)」、9月12日本社研修「ライセンス」配布資料より

しかし、「ホテル業務委託契約書」の第21条1項(1)には、つぎの記載があります。

甲(スーパーホテルのこと)の定める評価基準を満たすことが出来ず、かつ、甲が評価基準を満たすよう是正を求めたにも関わらず是正されないとき

つまり、GRADE4を維持しないとスーパーホテルは解除できたのです。

各GRADEには、報奨金が出ます。6ヶ月ごと評価されて、その評価から遅れて3ヶ月後から6ヶ月間、委託報酬と一緒に報奨金が毎月10日に入金されます。

この金額は「スーパーホテル業務要項」で試算した年間人件費が40%も不足しており、月額換算で約60万円足りませんでした。仮に「理念の共有」と「プロセス+成果」が両方とも「GRADE4」であったら、報奨金は10万円となります。しかし、約50万円が不足したままです。

まったくスーパーホテルに課されるノルマとコストが合いませんでした。「評価表」の各項目を見て行きます。

理念の共有

基本的状態に「【根本的な人間力】」と記載され、このなかの各項目ができないと人間力がないと言わんばかりでした。そして、アテンダント(スーパーホテルでいうアルバイト)に雇用関係がない発注者の社員の行動指針を理解させる指示があります。

□支配人・副支配人は、常時、FAITHを携帯している。(基本的状態)
□支配人・副支配人は、業務マニュアルに沿い忠実にオペレーションを実施でき、本部メンバーによる運営面への指摘にも真摯に対応、取り組みができる。(GRADE5)
□アテンダントがFAITHを理解し、自分の言葉で説明できるようになっている。(GRADE4)

売上

得点が発生するGRADE5より宿泊収入が前年同月比を越える前提です。GRADE4~1まで前年比100%以上のノルマ設定がされています。いつも利益が増やし続けられると貴方は思いますか。そのようなノルマがつぎのようにGRADE5に書かれています。

なお、利益REVPARとは、スーパーホテル特有の用語で「(売上収入-IT販売手数料)÷販売可能室数」で求められるものです。

□上期4月~9月・下期10月~3月の利益REVPARが前年同月比で100%以上であること。(GRADE5)

IT予約率

加点されるGRADE5から自社IT予約率が35%以上もあり、GRADEごと5%刻みで予約率ノルマの難易度が上がっています。加点が発生するGRADE5には、つぎのように書かれていました。

□自社IT予約率が、前年同期間実績以上の積み上げがあること。もしくは自社IT予約率が35%以上であること。(GRADE5)

朝食

基本的状態には、氏家さんが雇用したアルバイトにスーパーホテル社員の行動指針であるFAITH-UPが指示されています。また、加点されるGRADE5から経品数値3.85以上と数値ノルマが課されます。GRADEが上がるほど指数も高くなります。

しかし、宿泊者の命に関わる衛生状態は、GRADE3まで「プロセス(黒字)」に定めがなく、スーパーホテルの凶暴さがわかります。なお、経品数値は「CS」という宿泊者が記入した4点満点のアンケートの平均値のことです。

□支配人・副支配人は朝食アテンダントとFAITH-UPを行っている。(基本的状態)
□経品数値による「朝の挨拶」6カ月平均が3.85以上であること。(GRADE5)
□支配人、副支配人が、衛生検査の結果を把握し、厨房の衛生状態の改善に努めている。(GRADE3)

接客・アテンダント育成

基本的状態には、クチコミに100%返信を24時間以内に行うことが命じられています。フロントオペレーションマニュアルの「【5】5.アンケート・口コミ返信」には、シルバースター以上のアテンダント・副支配人・支配人だけが返信できることになっています。「投稿より短い返信はしない」というもので500字の文章ならば、我々は500字以上の内容で「サービスPR」を加えて返信するという規定となっていました。なお、シルバースターとは、スーパーホテルがアルバイトの能力を格付けする「スター制度」のことです。下からブロンズ・シルバー・ゴールド、最上位は№2となっていました。

ほとんどの店舗には、シルバースター以上のアテンダントなどいるわけもなく、業務委託の支配人・副支配人がひたすらPRつきの返信をさせられています。マニュアルには「宣伝効果のある営業の機会」と記載があり、「スーパーホテルの宣伝」を無料で行うよう指示されています。そして、コンサルタント本部の中本係長がクチコミを逐一チェックしており、1通でも忘れると評価がゼロ点となります。

アルバイトの教育は、「初期トレーニングレポート・レベルアップシート」のバインダーをスーパーホテル社員が確認できるよう棚に配置して、この教材で教育しなければなりません。

得点が発生するGRADE5から「成果(赤字)」は、「じゃらん接客の平均値」、「経品数値の平均値」、「CS枚数」の3つもあります。GRADEに比例して数値も高くなります。なお、じゃらんの「接客」の平均値とは、宿泊予約サイト「じゃらん」のクチコミ評価点数の欄があり、その「接客・サービス」の6カ月平均値のことです。また、「CS枚数」とは、宿泊者が記入した4点満点のアンケートを回収した枚数です。

□クチコミ(葉書)の返信(自社・他社)ともに返信率100%であること。又、他社の口コミ投稿は24時間以内に返信されている状態であること。(基本的状態)
□アテンダントと信頼関係を築き、アテンダント育成の初期トレーニングレポート・レベルアップシートをアテンダント全員が活用できている。(コーチング向上)
□じゃらんの「接客」の6カ月平均が4.2以上であること又は前年同期間比において6カ月平均+0.01以上であること。
□経品数値の「接客」の6カ月平均が3.85以上であること。又は前年同期間比において6カ月平均+0.01以上であること。
□CS枚数6カ月平均:0.3以上(枚数/室数)

クリンネス

スーパーホテル子会社が清掃を担当しているのに、我々に管理を押しつけて客室の評価まで我々の責任にしているものです。つぎのように基本的状態には記載がありました。

□清掃チェックに基づいた清掃会社に対する指導が行えている(基本的状態)

環境整備・法令遵守と顧客・マーケティング

スーパーホテルが消防法違反しており、さらにマーケティングは指示された通りの業務を行うだけであり、ホテル経営していないため省きます。

証拠・資料

経営品質部_朝食食品衛生講義

支配人ライセンス評価表(2018年4月1日改訂)

コンサルタント部_ライセンス講義

開業セミナー

スーパーホテルコンサルタント本部の山本主任が講師でした。
研修参加の条件に「自宅退居」があった理由は、「ホテル住所への住民票転入」が目的だったとわかりました。

山本主任は、冊子を配布し、表紙の「新支配人・副支配人用届け出書類チェック表」を説明しました。私は、このチェック表1~6のうち、1と2しか届出していません。これに対して、氏家さんはチェック表1~6を届け出させられ、すべてを「ホテル住所」で書き込まされました。しかも記入する内容は、「スーパーホテルが決めたもの」を書き込むのです。

そして、「個人事業の開業・廃業等届出書」と「給与支払い事務所開設届」のコピーをスーパーホテルに提出するよう指示されました。

たとえば、「個人事業の開業・廃業等届出書」を見てみると、スーパーホテルが書き方のサンプルを用意しています。この通りに記入して、届出書を作成しなければなりません。赤字の「着任地の住所」は、住民票を転入するよう強要された「ホテル住所」です。

また、赤字の「宿泊業」とありますが、我々は「宿泊業」ではなく「サービス業」です。「事業の概要」には、「スーパーホテル業務委託契約として、」のあとに、つぎのような文章を書き込むよう指示されました。

支配人・・・ホテル運営全般を任されています。

副支配人・・・朝食・経理・駐車場管理を任されています

我々が業務委託を受けたスーパーホテルJR上野入谷口は、“駐車場”がありません。しかも開業したのは、氏家さんのみです。なぜ、副支配人の業務を記載するのか意味不明なのです。

ただし、スーパーホテルによって支配人と副支配人の「業務分担」が正式に記載された唯一の証拠文書です。この業務分担がないことも労基署の「事業者」だとする見解の理由になっています。

そして、山本主任は、「開業者が1名の場合は、もう1名を従業員として雇用する」ように指示したのです。じつは、氏家さんの顧問税理士と社労士が開業などの手続きを行いました。山本主任が示した「チェック表1~6」の届出のうち、「3・5・6」は、税理士と社労士が担当しました。

そのとき、税理士は「研修報酬が給料である」と言います。そこで氏家さんは高森次長に相談すると、「開業準備費として計上して下さい」と言われました。しかし、税理士は、「開業準備費にはなりません。給料ですから」と強く言います。また、社労士は、氏家さんが開業して私を雇うと、「職場に住み込む雇用契約なので、24時間氏家さんが働かせている契約になってしまいます。これでは届出ができません」と明言されました。

我々2人が連名でスーパーホテルと業務委託契約を結び、開業者が氏家さん1人という理由で「私と氏家さんが雇用契約」を結んだらグチャグチャになります。

つまり、我々はスーパーホテルの「愚かな偽装工作」に付き合わされているだけだということなのです。

そこで氏家さんの税理士と社労士のアドバイスに従い、私は「誰も雇わない・誰にも雇用されない・研修からの無収入・研修業務の反復を行う」状態を保持することになりました。

アテンダント育成

講師は、経営品質部の社員でした。我々が研修センターで指導された「フロントオペレーションマニュアル」の内容を雇用するアルバイトに教育する義務があります。そして、スター制度の評価制度をアルバイトに受験させなければなりません。これらの遂行義務を定めるのが、支配人ライセンス評価表の「アテンダント育成」でした。さらにスーパーホテルは、インストラクターという「社員」を派遣して、直接我々のアルバイトを教育する徹底ぶりでした。

ある日、彼女は、突然、JR上野入谷口のフロントに現れました。そして、「経営品質部の小林と申します」と自己紹介したのです。

2018年9月13日、本社研修の経営品質部「アテンダント育成・仕組み・育成」において、配布された教材に載っていた「インストラクター」の小林さんでした。

「インストラクターのご紹介」2ページ目、本社研修「アテンダント育成」配布資料より

「インストラクターのご紹介」2ページ目、本社研修「アテンダント育成」配布資料より

インストラクターは、業務委託店にやって来て1泊2日~4泊5日で「臨店」を行います。臨店とは、教材によるとつぎのようなものです。

アテンダントの皆さんと同じく、制服を着て一緒にフロントに立ち、実際にチェックインやお客様対応を実践しながら、背中(お手本)を見せる事で、アテンダントの皆さんの“おもてなし力”を磨くお手伝いをしたいと考えております。入ったばかりの新人アテンダントヘの指導はもちろん、ベテランアテンダントの更なるスキルアップ、モチベーションアップ等。コミュニケーションを取りながら接客の楽しさやスーパーホテルが実践する“感動のおもてなしとは?”を実践形式でお伝えしていきたいと思っております。

「インストラクターのご紹介」1ページ目、本社研修「アテンダント育成」配布資料より

「インストラクターのご紹介」1ページ目、本社研修「アテンダント育成」配布資料より

この文章の通り、氏家さんが雇用したアルバイトをインストラクター(スーパーホテル社員)がスーパーホテルの指示通りに働くよう指導をします。

全店共通の「フロントオペレーションマニュアル」で、インストラクター(スーパーホテル社員)がずっとアルバイトを命令して業務方法を教育していました。しかも氏家さんがアルバイト賃金を払わされ、インストラクターがスーパーホテルのために教育するのです。

11月21日「Re:12月シフト表の件」というメールにおいて、経営品質部インストラクターの小林さんは、12月11日~13日の2泊3日で「面接&研修」をすると冒頭の「インストラクターのご紹介」の紹介文と同じ行動をしています。

メール=Re:12月シフト表の件 2018年11月21日(抜粋)

メール=Re:12月シフト表の件 2018年11月21日(抜粋)

この臨店のあと、小林さんはつぎのようなメールを送って来ました。「お客様に喜んで頂くための接客5か条」というメールに添付されたPDFを店舗に掲示してアルバイトにやらせるよう我々が指示されました。その内容は、我々が受けた「接客導入ワークブック」の「身だしなみ」の教材、メラビアンの法則の説明にあった初頭効果「7秒で決まる」が書かれていました。

小林氏の指示書「お客様に喜んで頂くための接客5か条」

小林氏の指示書「お客様に喜んで頂くための接客5か条」

証拠・資料

コンサルタント部_開業セミナー講義

人材開発部_採用講義

人材開発部_感動のアプローチ講義

2018年9月13日の確認テスト

経営品質部小林さんメール