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調印式という「裁判対策の撮影会」#3

2018年9月14日9時50分、我々は、「本社3階会議I」に着きました。

【調印式のご案内】

スーパーホテルが配布した【調印式のご案内】

連帯保証人をつけないと委託料を払わない

竹内係長は、会議室で調印式の流れを説明していました。その際、配布された資料には、「保証人2名様分の署名、実印の捺印、印鑑証明書」を用意して、「契約開始日までに1部竹内までご返却お願い致します。」とあります。

そして、「契約書の提出が確認されるまで業務委託料のお支払いはできませんのでお気をつけください。」と警告文が記載されていました。

「契約書の提出が確認されるまで業務委託料のお支払いはできませんのでお気をつけください。」と書かれた紙、9月14日調印式配布資料より

「契約書の提出が確認されるまで業務委託料のお支払いはできませんのでお気をつけください。」と書かれた紙、9月14日調印式配布資料より

ホテル配属後、我々はずっと中本係長より、つぎの言葉を言われました。

お二人の連帯保証人の件はどうなりましたか?  なる人がいなければ、委託料の支払いが止まりますよ。当然、業務委託契約は続けられないので出て行ってもらいます。

裁判では、甲230号証(音声録音の反訳書)において中本係長は「報酬の不払いや停止」などを意味する発言が合計7回あったと指摘しています。また、スーパーホテルの現代表取締役副会長山本晃嘉氏から中本係長まで企業文化としての「脅迫」が、社員から日常的に聞くことができます。なお、山本副会長の脅迫は、2020年3月24日の集団暴行の動画の通りです。

そもそも「連帯保証人」の要求は、求人広告や説明会の募集条件が「嘘」だから調印式に参加した全ペアに対して、案内する紙を渡しているのです。どんな人でも突然に「数千万円の事業」の連帯保証人を頼まれて応じるのでしょうか。

2018年12月12日やっと氏家さんの叔父様が保証人になってくれました。つぎのような関係者とのやりとりのメールが残っています。

記念撮影の山本梁介会長は取締役に名前がない

我々は、「調印式」というスーパーホテルにとってのセレモニーに参加しました。調印式は、創業者の山本梁介会長が契約書に捺印するものです。そして、委嘱状なるものを渡して、山本会長と記念撮影します。あっという間に調印式は終わってしまいました。

9月14日調印式で撮影された写真

9月14日調印式で撮影された写真

あとで調べてわかったことですが、契約書に捺印した「創業者の山本梁介取締役会長」は、スーパーホテルの会社登記の取締役に名前がありませんでした。しかも、環境大臣から認定を受けるなどの公文書にスーパーホテルと無関係な人物名で「取締役を名乗る」行為をしています。

公文書不実記載の罪に問われないのでしょうか。

さらに「スーパーホテル業務要項」とこの日の調印式の「契約書」には、「三ヶ所」も加筆や改変が加えられていたのです。勝手に契約書を改変しても、合意契約と言えるのでしょうか。

それに加えて、スーパーホテル業務委託契約書が「合意内容」を明記したものでないことは、すでに紹介しました。スーパーホテルが指示する「ホテル業務委託契約書の第7条(個人事業主)」を、我々がすべて実行することを約束させた契約書だと言えます。

すなわち、「個人の人権を捨てさせる契約」を書面化したもので、それに喜んで合意したように偽装する証拠が「調印式の記念撮影」だったのです。

つまり、「ホテル業務委託契約書の第7条(個人事業主)」を我々に実行させれば、第1章はじめの「昭和60年報告」によって、労働関係法令の保護から除外された「人権侵害できる個人(個人事業主)」を自動的に生み出せるのです。すなわち、「名ばかり個人事業主」の誕生でした。

同じ業務・職場なのに労働者と事業者が併存する「昭和60年報告」

ほとんどの日本人は、「昭和60年報告」の名前すら知りません。普通の賢明な日本人ならば、労働者を定義づけている「労基法9条」を調べることからはじめるはずです。そして、法律の定義を読み上げて終わります。

まさか6項目の判断基準によって、「労働者か?」を労働実態から判定しているなんて、日本人の誰もが知りません。しかも、法律ではなく担当官の内部規則なので、賢明な日本人でも調べることができません。

この事実を知っているのは、法学者くらいのものです。

「昭和60年報告」は、6項目の判断基準を「労働実態」に当てはめて総合的に判断します。スーパーホテルは、この基準の悪用を思いつきました。下の写真と合わせて、我々の労働実態を考えて見ましょう。

まず6項目のうち(1)(2)(3)はスーパーホテルの指示に従い研修の業務内容を忠実に反復するものなので、「適合」しています。それを裏付ける契約書まで存在し、「スーパーホテル業務委託契約の全貌」で書いた通りです。

判断基準に基づく捏造状況

しかし、「個人事業主の開業手続き」をやらせると、6項目の判断基準のうち(4)(5)(6)の3項目が“開業”で「不適合」に変えられます。

重要なのは、研修参加時点で「自宅などを処分させる」ことです。我々がそうだったように、これにより仕方なく「配属ホテルの住所地」に「住民票・印鑑登録」を届け出ます。

あとは、調印式で「裁判対策の証明写真」を撮影して、配属ホテルで働かせれば良いのです。我々の24時間365日勤務は、人間には不可能です。仕方なく、配属ホテルに元から勤務していたアルバイトを雇用することになります。これにより氏家さんは雇用主となりました。(4)が「不適合」に変わります。

当然、個人事業主の開業届と給与支払い事務所届を出すことになります。この2つの届出書は、コピーをスーパーホテルに提出することを「開業セミナー」で指導されています。続いて、開業事実によって(6)が「不適合」に変わりました。これらの証拠は「引継書類」の「チェック表」でスーパーホテル社員の印鑑つきでわかります。また、氏家さんの銀行口座にスーパーホテルより入金されていた「研修報酬」は、開業届により「給料から売上」に変わります。納税申告で(5)も「不適合」が確定します。

結果、(4)(5)(6)が「不適合」となって、氏家さんは「事業者」扱いされました。

それに対して、私は氏家さんと正反対に(1)~(6)が「適合」のままです。

スーパーホテル業務委託契約は、二個一契約です。「開業セミナー」で紹介したように、同じ契約書に2人が連名で署名捺印するものでした。

結果、「昭和60年報告」という矛盾した判断基準の導入のせいで悪徳企業の悪用を容易にし、「同一業務・同一職場」に事業者(氏家さん)と労働者(私)の相反する「労働実態」が共存してしまったのです。

我々の労働実態について

我々の労働実態について

労基署は、昭和60年報告で判断することができず、「判断できない」から「労働者ではない」と最後は居直る始末です。また、私という個人の労働者実態について、「2人で1つの業務委託契約」だとする見解を「伊藤由紀子裁判長」が出しており、業務委託の形態を評価する裁判に変わっています。すなわち、「個人」の労働実態を見て判断するという原則は消え、「契約内容」を判断する裁判となっています。

証拠・資料

【調印式のご案内】

ホテル業務委託契約書

スーパーホテル業務要項

確約書

レンタルユニフォーム取り扱い合意書

委嘱状