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内観と接客テスト #8

「内観」は、「重要な時系列A」の通り、本社研修の講義として7月14日に行われています。また「接客テスト」は、6月29日と7月17日に行われました。なお、「重要な時系列B」の7月7日と8日は実務研修に変更となりました。

心理テストのような研修

2018年7月14日「内観」は、三輪室長が講師でした。9時から19時くらいまで行われました。「内観」という言葉は、一般的な言葉ではありません。三輪室長の話によると、東横イン時代に研修にあったものだそうで自己啓蒙のメソッドの1つと言っていました。さらに起業にあたっての心構えやノウハウなども教えてくれました。昼食をはさみましたが、ずっと瞑想のようなことをさせられた日でした。

「内観」の講義は、研修生6ペアを3ペアずつの2グループに分けて行われます。我々3ペアの6名は、本社の商談室の6つを使い1人が1部屋ずつ瞑想しました。

4時間くらい経つと三輪室長が商談室に入って来ます。

彼女は、私に「氏家さんの人柄や不満などのプライベート」の質問をしました。平均40分ほど会話したと思います。彼女は聞き側に徹して「私の不満や研修の心配」などを聞いてくれました。内観終了後、私は氏家さんに三輪さんが何を質問したのか聞くと、ほぼ同じ内容だったのを覚えています。

それから19時くらいまで、研修生全員と三輪室長で話しました。そのあと、三輪室長が「会社のおごりで飲みます!」と言って、居酒屋で夜遅くまで楽しみました。三輪室長は「みんなとLINEを交換したい」と言って、連絡先を教え合ったのを覚えています。

接客とシステム操作は「PR商品」

2018年7月17日「接客テスト」が行われました。評価者は、スーパーホテル経営品質本部CS推進部の班目さんです。通常は「研修センターで2回」と「研修委託店舗で1回」の計3回があります。

ここでは、研修センター2回目の接客テストを取り上げます。

「6月生候補生オペレーションチェックシートB(当初計画)」の6欄目に「経営品質部臨店」と記載されたものが、3つあるのがそうです。しかし、我々の「接客テスト」は、このあとに起こったある事情から「研修委託店舗ではなく研修センター」で3回目が行われました。

このテストの重要なポイントは、「スーパーホテルの接客」と「独自システムの操作」の両方を習得していることが前提だったことです。言い換えれば、オートメーション化からもっとも遠い、人間の「説明と手入力」に立脚することでフロントスタッフの接客までもが「PR商品」となるよう教育され、スーパーホテルが業務だと指示していたのです。

たとえば、マクドナルドのメニューにある「スマイル0円」のような「接客の商品化」がスーパーホテルによって、指導され実践するよう我々は命じられていました。

研修センターで練習した「フロントオペレーションマニュアル」や本社研修の「接客」は、業務を細分化することで理解しやすくしています。それがかえって、業務の機能や全体像を理解しづらくしていました。そこで、接客テストの実例から「研修センターの実習」と「本社研修」の相関性を説明したいと思います。

チェックインに要する時間は、最低でも10分かかります。お急ぎのお客様などからお叱りがあり、省略することが多く現実的ではありませんでした。事実、「2組しかいないにも関わらず15分近く待たされました。」とTripadvisor(トリップアドバイザー)の口コミが投稿されています。

スーパーホテル京都・四条河原町の口コミ(Tripadvisor)

チェックインするお客様が多くなると、フロントやロビーがたくさんの人で埋まった状態が30分くらい続きます。最後尾のお客様は、フロントスタッフの「長いしゃべり」と「煩雑なシステム手続き」にいら立っていました。

テレビ番組を見ているとき、CMで中断されるようなもので、なるべくならば見たくないと思うのが「広告」ではないでしょうか。我慢して聞いてくれるお客様で、はじめて宿泊される場合など、多くの好条件が揃わないと「接客テスト」になりませんでした。

実際に、私が採点された接客を再現したいと思います。

「女性、1名1泊、旅行サイト経由の予約、現金精算、フロント混雑なし」のチェックインです。場所は、研修センターでした。

2台あるエレベーター(以下、EVと略します)が動けば、お客様の出入りがあることがわかります。EVは、昇降のいずれも2階フロントロビーで停止してドアが開く設定となっています。

それでは、「接客テスト」の開始です。

01. 待機時は、三分咲きの「笑顔」が鉄則で、いつも自動ドアやEV(エレベーター)を注意するよう指示されています。
【2】1.サービススタンダード①、【2】1.サービススタンダード②、【2】5.笑顔

02. EVが動き出しました。チェックインのお客様の可能性があります。EVの方向を注意するようにします。EVのドアが開き、チェックインのためにフロント方向に来るお客様がいました。私は、フロント・カウンターより出て「EVまでお迎え」に行きます。
【2】9.基本チェックイン、【2】10.Lohasな館内案内

03. 私は、お客様の前に立ち止まって、満開の笑顔で

おかえりなさいませ、Lohasなスーパーホテルへようこそ。

と言いながら敬礼します。
【2】1.サービススタンダード①、【2】1.サービススタンダード②、【2】4.挨拶、【2】5.笑顔、【2】12.Lohasトーク集、【2】8.立居振舞①、【2】8.立居振舞②

04.そして、お客様の「情」の空間に立って、関心や気配りから生まれた言葉を投げかけます。

プラスαの声かけ、「今日は暑いですね/寒いですね」

それから私は、お客様のそばでフロントの方向を手のひらで指し示して

フロントへどうぞ。

と言って案内します。私は、足早にカウンター脇の通路からフロント内に入ります。
【2】1.サービススタンダード①、【2】1.サービススタンダード②、【2】4.挨拶、【2】8.立居振舞①、【2】8.立居振舞②

05.クッション言葉をつけた言い方で、お客様の気分を害さないようにお名前を聞きます。

恐れ入りますが、お名前をお聞かせいただけますか。

とたずねます。

(お客様) 田中です。

お客様は、よく苗字だけ言う場合が多くあります。我々は、予約確認のためにもフルネームを知りたいのですが、その前に「マジックフレーズ」を使って、しゃべりやすい雰囲気づくりをします。

ありがとうございます。

私は、クッション言葉をつけた言い方で、名前も教えてもらいます。

恐れ入りますが、お名前も教えていただけますか。

お客様が名前を言い直して、フルネームを言ったとします。

(お客様) みさこです、田中みさこです

私は、必ず「マジックフレーズ」を使って、お客様の気分を害さないようにします。

ありがとうございます。

【2】4.挨拶、【2】6.言葉遣い①、【2】6.言葉遣い②

06.私は、キーボードで「Alt+C」とボタンを押し、チェックイン画面を出します。そして、すばやくキーボードに「カタカナ」入力で、宿泊者名の欄に「タナカ」と入力し、当日のすべての宿泊予定のタナカを検索します。そして、「タナカミサコ」を見つけて青色選択します。
【4】3.チェックイン

07.私は、サービススタンダードの「お客様のお名前をできるだけ3回は呼ぶ」ようにするため、確認の意味のフリをして、名前をお呼びします。

田中様でいらっしゃいますね、お待ちしておりました。(名前を呼ぶ回数1回目)

通常であれば、エコチェックインのファンクションキー“F1”「ECO C/I」を押します。
【2】1.サービススタンダード①、【2】1.サービススタンダード②、【2】4.挨拶、【4】4.ECOチェックイン

08.そして、エコチェックイン画面が現れます。私は「氏名、予約経路、部屋タイプ、宿泊日数」を読み上げます。この場合は、

田中みさこ様で、じゃらんより、シングル、ご一泊お一人様でご予約をいただいております。(名前を呼ぶ回数2回目)

と読み上げて、お客様にご確認をいただきます。予約に間違いがなければ、ファンクションキー“F12”「タブレット」を押します。するとお客様側にあるエコチェックイン機(タッチパネル)に「氏名、会社名、住所、自宅、携帯、連絡先」の欄が表示されます。
【2】1.サービススタンダード①、【2】1.サービススタンダード②、【2】9.基本チェックイン、【4】4.ECOチェックイン

エコチェックイン機(汎用品タブレット)の表示画面

エコチェックイン機(汎用品タブレット)の表示画面

09.カウンター脇の通路から出て、「ECOチェックイン機」の横に立ちタッチペンを手に取ります。お客様からは、ちょうど「情の空間」に立つことになります。私は、タッチペンを胸の高さで両手で手渡し、チェックイン機の記入欄を「氏名欄」から順番に指さして、入力の案内を行います。
【2】8.立居振舞①、【2】8.立居振舞②

10.お客様がECOチェックイン機の記入欄にすべてを書き終わったら「マジックフレーズ」を使います。

ありがとうございます。

と言って、再びカウンター脇よりフロント内へ足早に戻ります。
【2】4.挨拶、【2】6.言葉遣い①、【2】6.言葉遣い②

11.私は、エコ泊キャッシュバックの旅行サイト経由の「お客様向けカード」を説明します。

公式ホームページからご予約を頂くだけでCO2削減につながり、しかもお客様へのキャッシュバックもあるという地球にも財布にもうれしい活動を行っております。次回から是非、公式ホームページをご利用くださいませ。1泊につき、スタンプ1つを押させていただきます。スタンプ3個たまると、次回宿泊時に現金1000円キャッシュバック、スタンプ5個たまると、次回宿泊時に現金3000円をキャッシュバックいたします。

と言って、カードをお客様にお渡しします。
【2】9.基本チェックイン、【2】8.立居振舞①、【2】8.立居振舞②、【2】12.Lohasトーク集、【8】1.エコ泊キャッシュバック

12.そのあと、私はファンクションキー“F1”「チェックイン」を押します。課金情報画面が表示されます。電卓で宿泊金額を入力して、他のお客様に見られないように「電卓の宿泊代金」を見せながら、

こちらが本日の宿泊料金でございます。恐れ入りますが、お支払いは先に申し受けております、現金でよろしいでしょうか。

とおたずねします。お客様が現金の場合、私はファンクションキー“F8”「精算機」を押します。すると精算しかできない「自動チェックイン機」が手動で動き、既定のアナウンスをはじめます。
【2】9.基本チェックイン、【4】4.ECOチェックイン、【8】2.現金精算(精算機)

13.私は、フロントのはるか奥にある精算機の方へお客様を案内します。

田中様、ありがとうございます。お手数ですが、あちらの自動チェックイン機でお支払いをお願いいたします。(名前を呼ぶ回数3回目)

とお客様のお名前をお呼びして、「案内ボードと大浴場の暗証番号カード」を持って足早にカウンターを出ます。そして、私は「精算機」の方を指し示して、お客様をお連れします。
【2】1.サービススタンダード①、【2】1.サービススタンダード②、【2】8.立居振舞①、【2】8.立居振舞②、【2】9.基本チェックイン

14.お客様が精算機に代金を入れて「確認ボタン」を押すと、領収書と部屋の暗証番号がつながった紙が出てきます。なお、領収書の宛名に変更がある場合は、手動の自動チェックイン機では対応していないので、カウンターにもどって作り直します。
【8】14.領収書発行①、【8】14.領収書発行②

15.私は、お客様の“情の空間”に立って、お客様のお名前を呼びつつ、客室の入り方を説明することを言います。

田中様、Lohasなスーパーホテルにようこそお越しくださいました。出てまいりましたレシートを使って、Lohasな館内案内を4点させていただきます。(名前を呼ぶ回数4回目)

私は、お客様のレシートにある部屋番号を確認します。部屋番号の左から2ケタで“階層”を表しています。たとえば、5階だと「505」のように左の1ケタ目で表記されます。さらに12階だと「1210」のように左の2ケタで表記されます。そのため、田中みさこ様の部屋番号が「813」であれば、つぎのように言います。

本日、お部屋は8階にご用意しております。

今度は、私が手に持っている「暗証番号ボード」をお客様に見せて、説明をはじめます。

こちらの6ケタの暗証番号が、お部屋の鍵の代わりとなっております。ドアノブに、このようなテンキーがございます。スタートボタンを押したあと、6ケタの暗証番号を押していただくと、鍵が開きます。扉はオートロックで閉まります。お出かけの際は、大切にお持ちくださいませ。

さらに私はボードを裏返してボード裏面の館内案内を続けます。

また、1階のエントランスの自動ドアは深夜24時以降、閉まります。お部屋と同じ暗証番号でお入りいただけます。

と言って、深夜のエントランスの入り方を説明したあと、チェックアウト時間と館内の上水道について紹介します。

チェックアウトは10時でございます。特にお手続きはございませんので、そのままご出発いただけます。当館の水道水は、MICA加工された健康イオン水でございます。浸透性が高く、女性は化粧のノリがよくなると言われております。是非ともご体感くださいませ。

と言い切ったら、温泉の利用方法や朝食を説明します。ただし、研修センターは飲食店併設となっており、無料朝食の提供はありません。私は、温泉の案内のみ行います。

当ホテルは、Lohasの一環として、疲労回復に効果がある天然温泉をご用意しております。女性は4階、今より翌9時40分まで夜通しご利用いただけます。お部屋のタオルをお持ちになってご利用くださいませ。また、女湯の入り口は防犯上ロックしております。こちらの暗証番号でお入りくださいませ。

と言ったら、ボードを使った説明は終わりです。
【2】1.サービススタンダード①、【2】1.サービススタンダード②、【2】10.Lohasな館内案内、【2】12.Lohasトーク集、【暗証番号ボード】、【館内案内ボード】

16.このあと私は、壁側に並ぶ「浴衣と選べる枕」を手のひらで指し示して、お客様を案内します。

こちらが浴衣です。温泉へお召しいただけます。また、あちらは選べる枕となっております。お部屋の枕は固めとなっております。高さや硬さも選べますので、是非ともお持ちください。

と言って、私は浴衣を手に取り、両手で、お客様の胸の位置でお渡しします。さらに“選べる枕”をお客様ご自身で選んでもらいます。

この際、お客様は持参した荷物、手には暗証番号、さらに浴衣と帯、選べる枕を持つことになるので、両手が完全にふさがる状態になります。

お荷物と浴衣をお持ちいたします。

と言って、荷物を私が代わりにお持ちします。そして、お客様がさわる枕ごと、私は枕について説明を行います。
【2】10.Lohasな館内案内、【2】12.Lohasトーク集

17.お客様が枕を選び終わったところで、最後に私はアメニティーについて案内します。

女性のお客様限定で、アメニティーを5個まで、この中から選んでお持ちいただけます。

と言って、お客様に選んでいただきます。お客様が選び終わるころを見計らい、私はEVの“上がるボタン”を押して、EVを呼びます。

2階ロビーでEVのドアが開くと、私はお客様をEV内にご案内します。その際、私が持っている荷物をお客様にお返しします。お客様は当然、EVの階数ボタンを押せる状況ではないので、私がお客様の代わりに階数ボタンを押します。
【2】10.Lohasな館内案内

18.するとEVはすぐ閉まるので、私はすばやくEVから出ます。ちょうどEVの前に立った状態となった私はEVのドアが閉まる間際、満開の笑顔でつぎのことを言いながら敬礼してお見送りします。

田中様、ごゆっくりお過ごしくださいませ。(名前を呼ぶ回数5回目)

【2】4.挨拶、【2】8.立居振舞①、【2】8.立居振舞②、【2】10.Lohasな館内案内

以上が、接客テストで「基礎研修」の合格となるものです。

証拠・資料

接客テストの採点結果と指導内容