a
a

女性の人権侵害の実態 #5

気がつくと、2018年9月16日から18日の引継ぎ業務は終わりました。夜パートであった氏家さんの話によると、18日から翌19日にまたがる深夜0時に引継ぎが完了したとのことでした。

9月19日朝5時30分、私の昼パートから業務委託としての業務開始です。この日は、氏家さんの「お父様の転院」の日でした。それまで入院していた病院より、建て替え工事のため退院を求められていました。

本当に“綱渡り”のような日々です。

この日に合わせて、スーパーホテルのコンサルタント中本氏に特別なお願いをしていました。面接の際に話した氏家さんのお父様を「新しい病院へ転院」することです。転院には、氏家さんが病院のある埼玉県へレンタカーで行き、病院間を介護タクシーで氏家さんのお父様を運ぶ必要がありました。6時間くらいならば代わりに中本氏がホテルに居るとのことで、氏家さんの外出を許可してくれました。

2018年9月19日に氏家さんのお父様が転院した証拠

2018年9月19日に氏家さんのお父様が転院した証拠

我々は、高額賠償による脅迫によって監禁状態にあり、ホテルを留守にして長時間の外出はできませんでした。脅迫されて連帯保証人をつけるため、氏家さんが山口県岩国市の叔父様のもとへ日帰りで行った同年12月12日とこの日のみでした。

中本氏とのメール1

中本氏とのメール1

結局、氏家さんは15時過ぎにホテルへ帰って来ました。

じつは、朝9時頃のことです。氏家さんと入れ替わりに「川津さん」がホテルに来ました。川津さんは、銀座チームが運営していたときの大木育支配人の奥様です。お二人で業務委託の支配人・副支配人を6年以上経験したベテランでした。

業務委託時代の大木・川津夫妻(ブログ「ふたりごと」2016年3月より抜粋)

業務委託時代の大木・川津夫妻(ブログ「ふたりごと」2016年3月より抜粋)

大阪の「研修センター(スーパーホテルLohas地下鉄四つ橋線・本町24号口)」は、少し前まで大木支配人と川津副支配人が業務委託された店舗でした。お二人が業務委託からスーパーホテルの正社員へと変わり、業務委託店はスーパーホテルの社員が運営する研修センターになります。

川津さんは「1週間、わからないことは何でも聞いて下さい」と言って、ホテル運営の指導をはじめました。なお、川津さんがJR上野入谷口で働いていた証拠は、つぎの通りです。

川津さんは、業務委託を長く続けられるコツや裏話を教えてくれました。

スーパーホテル社員が堕胎を迫っていた

この川津さんが語った3つの話は、衝撃的なものでした。

1つ目は、業務委託の副支配人が妊娠した場合、「スーパーホテルの社員がやって来て、解除されたいか堕胎するかの選択を迫られる」という話です。

川津さんの話では、ある副支配人が妊娠して、そのことをスーパーホテルに知られないように隠していたそうです。この副支配人は、出産直前までスーパーホテルに見つからなかったことで出産できたそうです。

川津さんの話を聞いて、すでに書いた契約書の「妊娠の報告義務(ホテル業務委託契約書第11条3項)」や「母子健康管理制度(ホテル業務委託契約書第21条1項3号)」の本当の目的がわかりました。川津さんの言うようにホテル業務委託契約書第21条1項3号によれば、妊娠したら事実上「解除」と同じだったのです。

まず、妊娠の“報告義務”があり、“母子健康管理制度”というものでスーパーホテルの管理下に置かれます。この管理制度は、「産前6週間、産後8週間」に適用されました。また、本契約締結後3年未満のときは、業務委託された者(我々)の都合で代行要員を要請することができ、第9条に定めた代行費用を我々は支払う必要がありました。

川津さんが言った「妊娠した副支配人がそのことを隠して・・・」とは、母子健康管理制度が適用される産前6週間の以前、つまり、およそ「妊娠8ヶ月」までならば、スーパーホテルがいつでも解除できる契約だったのです。しかも営業などの損害を千万円単位でスーパーホテルは請求でき、保証金として預託させられた150万円も没収できました。

仮に母子健康管理制度が適用になったとしても、副支配人の立場を代行できる人間が契約上必要です。選択の余地なく、第9条の代行要員を要請するしかありません。しかし、代行要員を1ヶ月手配すると、「3万円×30日=90万円」が必要となりました。我々の毎月の委託料が100万円前後です。母子健康管理制度では、もはや人件費おろか食事もできない状態となります。要は妊娠には、罰金が科せられていたのです。

2つ目は、業務委託の副支配人時代に「死にかけた」という話です。大木夫妻として、「スーパーホテル新宿歌舞伎町」を業務委託されたときのことでした。

川津さんは、体温が40℃となり、咳が出て立つこともできなくなったそうです。それでも副支配人の仕事をしていました。ますます体調が悪くなって、命の危険を感じて、彼女は病院に行ったそうです。医師からは「肺炎」だと診断されたそうです。

そのあとも、休めないからすぐ職場復帰したそうです。私は、この仕事は「命がけなのだ」と実感しました。

3つ目は、「労基法で守られた生活がしたい」という大木支配人の話です。大木支配人は、40代を業務委託の支配人として忙しく働いて来たそうです。しかし、奥様の川津さんが“肺炎”で倒れて、大木支配人も体力の限界を感じたそうです。業務委託の支配人と副支配人は、社員と同じ仕事をします。しかし、社員より圧倒的に長い労働時間で働かなければなりません。

大木夫妻は、「週休2日」の生活がしたいと心から思ったそうです。

1週間はすぐ過ぎて、最終日の9月26日となりました。この日、川津さんは氏家さんに「会長は、本当に怖い人だよ。気をつけた方が良い」と言って、ホテルを去ったそうです。

2人目の指導者は再び龍頭支配人だった

川津さんが去ってから数日後、2018年10月3日頃でした。

再び龍頭支配人が指導にやって来たのです。龍頭さんは私に向かって「つぎの店舗に行くまでのつなぎです。深い意味はないので」と言って、このホテルに派遣されて来た理由を教えてくれました。

じつは、龍頭さんはスーパーホテルで最も長い12年以上ものキャリアがある業務委託の支配人でした。ひと昔前のスーパーホテルについて、我々に教えてくれました。その1つに川津さんの「妊娠解除」の話を裏付ける話がありました。ある日、ふと龍頭支配人に「妊娠すると解除って知ってますか?」と私はたずねました。

妊娠や病気で働けないと解約と記載のあるスーパーホテルHP

妊娠や病気で働けないと解約と記載のあるスーパーホテルHP

すると、龍頭支配人は静かに語り出しました。Superware15(スーパーホテル社内管理システム)の回覧板「2018年3月16日北原取締役の母子健康管理制度」を例にして話してくれました。

この制度は、「子育て支援」のパフォーマンスのために設けられたものです。契約書には「報告義務」があり、産前6週間前に妊娠した事実をスーパーホテルは知ることができます。結果、スーパーホテルの「妊娠解除」を妨げるものはなく、本当のパフォーマンスだと知ったことでした。

なお、Superware15(スーパーホテル社内管理システム)とは、スーパーホテルより許可を得る稟議申請や情報共有、書式出力などができるものです。業務委託が社員として扱われた代表的な証拠です。

ひと昔前までは、堂々とスーパーホテルの社員が関西弁で「いやなら、やめたらえーやん(嫌ならやめろ)」と言って、「堕胎するか契約解除」を言い渡していたそうです。その際、社員の指示に従わなかったら「暴力」で解決して来たそうです。

業務委託されて運営するなか、奥様が妊娠されたそうです。当然、スーパーホテルの社員が来て「契約解除」が申し渡されるはずでした。当時、龍頭夫妻のコンサルタントが高森次長です。頻繁に登場する高森次長が“ただの担当者”だったとき、スーパーホテルに自分のクビをかけて交渉した結果、「龍頭支配人だけが運営するホテル」が生まれました。

これによって龍頭支配人は、契約解除されない代わりに「24時間1人」でホテルを運営することになったそうです。

我々は、スーパーホテルの「経営陣の凶悪さ」に吐き気がしました。スーパーホテルの会社登記の取締役に名前のない「取締役会長山本梁介氏」に強い恐怖を覚えました。民間企業による「堕胎の強要」や「強制移住の24時間労働」がなぜ今日まで続けて来れたのか、川津さんが言った「会長は怖い人だよ」とは、まさしくこのことだと思いました。

証拠・資料

妊娠や病気で働けないと解約と記載のあるスーパーホテルHP

スーパーホテル法人登記

ホテル業務委託契約書