
「重要な時系列B」の通り、2018年7月9日、第3回の「本社研修」のうちつぎの3つの講義を紹介します。
「重要な時系列B」 2018年6月生本社研修スケジュール(当初計画)
経営品質部【ラッキーコール】
ラッキーコールとは、スーパーホテルの呼び方で“クレーム”のことを言います。スーパーホテル経営品質本部サービス管理部の三輪室長が講師でした。三輪室長は、テレビ出演や著書で有名な方です。彼女は“新宿のジャンヌダルク”と呼ばれていた東横インの伝説的な女性支配人でした。クレーム対応の「極意とポイント」について、つぎの7つを指示されました。
1. 苦情対応基本姿勢
「一歩前に出る対応」で明るくプラス思考をもって、謝罪姿勢は意識してゆっくり、深々と頭を下げるなど指示されました。
2. クレーム対応は接客の応用編
「謝罪の方法」やクレーム対応時の禁止事項などの対処について指示されました。たとえば、言い訳しない、正論を言わないなどです。
3. クレーム対応から見る接客の注意点
「具体的対応」の方法を指示されました。
4. クレーム対応に不可欠なチームワーク
「スタッフ間の具体的な行動方法」などについて指導がありました。
5. 苦情対応時の心の持ち方
「クレーム対応する立場の人」の心構えまで指導がありました。
6. ピンチがチャンス
下の写真のようなラッキーコール事例がVol.06まである量に驚きました。ほとんどのケースに対応策が講じられており、その通りに我々が「心構えと行動」するよう命じられました。
「ラッキーコール事例集Vol.06」表紙、7月9日本社研修「経営品質部【ラッキーコール】」配布資料より
7. 質疑応答
三輪室長の「東横インの支配人時代」の経験談などに質問が及んで興味深いものでした。そして、三輪室長は研修生の全員に対して何度も、つぎのことを言ってくれました。
何かあれば、24時間、いつでも私に電話をください。絶対、皆さんを見捨てません。私は、みなさんの味方です。これだけは絶対に覚えておいてください。
と言って、三輪室長は会社の携帯番号を言いました。我々は、彼女に強い信頼感、三輪さんがついているという安心感を覚えた記憶が残っています。
経理部【経理】
講師は、スーパーホテル経理部の大石主事でした。まず、スーパーホテル店舗営業の概略から説明がありました。ホテルを中心に図解していますが、お金はスーパーホテルの経理部に集積されています。我々が店舗で自由に業者との取引ができないのは、見ての通りです。
経理部が支払いを行わなければ、我々(店舗)が運営できない“しくみ”になっています。我々は、各業者の請求書を月次書類として、とりまとめてスーパーホテルの経理部に送るだけでした。その細かな記帳や仕訳の方法、とりまとめ方などを指示されました。
店舗にある会計システムの日報の確認方法、現金管理と預金(入金・出金)管理などの下のマニュアルを説明して、マニュアル通りに働くよう指示されました。
特にファイリングは、決算や中間決算の際、保存の手順があること、保管文書の一覧についても決められていました。
最後に、本社各部署への提出書類などの指示がありました。

研修室【危機管理】
講師は、長谷川さんでした。防災対策が法律で定められていることを、つぎのように説明されました。
法定の消防訓練の届出を出すよう指示されました。非常時、「赤ファイル」などを必ず携帯して避難するよう命じられました。
そして、業務委託店では「支配人・副支配人の夜間常駐」が原則であることが指示されました。それは、消防計画で法的に「支配人・副支配人が夜間常駐」が原則であると、長谷川さんは説明しました。長谷川さんの言い方によると「研修期間と同じように、夜は外に遊びに行っちゃダメなんです」というものです。
さらに過去の災害事例について紹介がありました。最後、下の消防訓練のマニュアルについて説明されました。
「危機管理」5、7月9日本社研修「研修室【危機管理】」配布資料より
この講義の説明がのちに、2022年3月16日の参議院総務委員会でスーパーホテルは「消防法違反」の運営を行っていたことが発覚します。