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上野・御徒町での派遣労働 #3

2018年8月1日、新大阪を出た新幹線は、夜の東京駅へ着きました。20時頃、我々は研修委託店舗(スーパーホテル上野・御徒町)に到着します。これからの滞在する客室は、6階の610611号室です。

8月1日上野・御徒町店

8月1日上野・御徒町店

我々は、大阪にいたときの極端な「不安感」や「危機感」から解放されていました。そのわけは、7月31日の研修センターまで少しさかのぼります。

最後の「接客テスト」が終わったあとでした。南口支配人に呼ばれて、「今後の予定」について説明がありました。それはつぎのようなものです。

「今後の予定A」は、配属先の「スーパーホテルJR上野入谷口」が記入されたすべてのスケジュールでした。

「今後の予定A」氏家さん・渡邉ペア スケジュール(変更計画)

「今後の予定A」氏家さん・渡邉ペア スケジュール(変更計画)

南口支配人は、すべてを知っているかのように「JR上野入谷口に配属してもらいます」と言いました。高森次長より聞いていた話ですが、我々は知らないフリをし、少し驚いたように「え!  決まったんですか」と答えました。

続けて、南口支配人はJR新大阪東口の研修分を「今後の予定B」の「スーパーホテル上野・御徒町」で補うことを説明しました。特に配属先でも現場研修が予定されていると言われます。

「今後の予定B」6月生候補生オペレーションチェックシートB(変更計画)

「今後の予定B」6月生候補生オペレーションチェックシートB(変更計画)

我々は、すでに「研修合格」していました。これまでの“4年で3,000万円ためる仕事”を獲得するのではなくより「良い運営のため」に努力することにしました。この証拠は、8月7日0時59分撮影の「今後の予定A」です。研修センターの期間に「今後の予定A」を配布されて、研修委託店で勤務していた事実です。

8月7日0時59分に撮影した「今後の予定A」氏家さん・渡邉ペア スケジュール(変更計画)

8月7日0時59分に撮影した「今後の予定A」氏家さん・渡邉ペア スケジュール(変更計画)

なお、スーパーホテル上野・御徒町での現場研修の実現は、高森次長が「輔野支配人・黒柳副支配人」に働きかけた結果でした。 

まず、研修委託店のスーパーホテル上野・御徒町の状況から書きます。

輔野支配人と黒柳副支配人のカップルは、このホテルに住み込んで働いています。アルバイトの4人で運営されていました。客室数は101室あり、天然温泉や炭酸泉の大浴場はありません。無料朝食は、スーパーホテルの社員で運営する店舗では飲食店併設タイプもありますが、基本的には全店共通のサービスです。

JR御徒町から徒歩2分という近さだけでなく、その他の地下鉄駅が3つもある交通の要衝です。また、観光地としても世界的に有名な“アメ横”が近くにあります。そのため、アジアの外国人観光客が非常にたくさんいる地域でした。研修委託店も7割以上が外国人の宿泊予約で埋め尽くされています。

つぎに研修について書きます。

「重要な時系列A」にあった研修委託店舗(JR新大阪東口)の研修は「3つの段階的研修」で構成された計画でした。我々は、この研修計画を「当初計画」と呼びます。これに対して「今後の予定B」の計画を「変更計画」と呼びたいと思います。

「変更計画」には、「3つの段階的研修」の方法は変更せずに「A」と「B」の段階をスーパーホテル野・御徒町で研修させて、「C」の段階をスーパーホテルJR上野入谷口で独自運営させるようになっていました。

3つの段階的研修

  1. 昼・夜パートの業務の「順番と制限時間」を覚える
  2. 各自の担当する「パートの業務」に習熟する
  3. 研修生だけの「独自運営」で支配人・副支配人より合格をもらう

つまり、すべての段階的研修を1つの店舗で完結させず、段階ごと店舗を分けて研修を行う方法に変更されていたのです。加えて、研修期間も増えています。

ちなみに研修期間が増加した分、研修報酬は1人当たり日給8,000円の2人分があり、研修期間については新幹線の移動費や宿泊代、洗濯代なども全額支給されています。

下の表は「当初計画」と「変更計画」の研修総日数の比較です。なお、本社研修や休日などを除く、研修委託店舗での実務研修の日数を算出しています。

研修総日数比較表

研修総日数比較表

当初計画では、研修委託店の研修総日数は16日でした。それが変更計画では研修総日数が24日に増加しています。また、「A~C段階の研修日数」とは「3つの段階的研修」の「A~C」の段階の各日数を示しています。

特に変更計画の「上野・御徒町」のC研修日数は「ゼロ」となっており、我々各自の昼パートと夜パートに教育が集中しています。また、「JR上野入谷口」がおもに独自運営を行うところであることもわかります。

従って、研修委託店の「上野・御徒町」においては「3つの段階的研修」の「A」と「B」の研修段階を述べることになります。

この「3つの研修段階A」の段階から話をはじめます。

A段階の研修日数6日間のうち、4日間は輔野支配人が担当しました。13時~25時の「夜パート」です。加えて、8月5日の「12時~20時」も輔野支配人が担当しました。そして、残りの2日間は黒柳副支配人より教わります。5時30分から17時の「昼パート」のことです。

この2人の指導は、とても“わかりやすい”教え方でした。

じつは、輔野支配人と黒柳副支配人には、下積みの期間があったそうです。彼らは、研修が終わってもホテルに配属させてもらえず、いくつか業務委託の支配人らのホテルで働かされたそうです。その期間は、たしか半年以上に及んだと聞いた覚えがあります。そのときに蓄積が、“わかりやすい”指導となったようです。

私は、8月2日の研修初日について、研修レポートに「新しい発想・考え方・やり方を目の当たりにして良い刺激となりました。前向きに勉強して頑張ります。」と書きました。

8月2日の研修レポート

8月2日の研修レポート

さらに各自のパートの労働時間は、ほぼ12時間となる状況でした。我々の仕事の速度が見習いなので遅く、休憩時間もフロント奥の事務室で仕事しながら食事を取る有り様だったからです。疲労がどんどん蓄積して行きました。

8月8日からの二連休は、上記の生活が影響してよく休めず、加えて蓄積した疲労から、我々は寝てばかりでした。